この投稿は、
電動化ウェビナー「電動油圧ポンプを用いた電動化システムへ向けた
躍進」に基づいています。
ウェビナーのリンクはこちら。discover.parker.com/electrified(英文)
考慮すべきこと
Q: OEMやエンドユーザーが、内燃機関から電動パワーへの移行を行う際に考慮すべきことは何ですか?
A:より高い回転数域はOEMやエンドユーザーが電動パワーへの移行を考える際の重要な要素です。永久磁石電動モーターは、従来の油圧ポンプを駆動している速度よりもはるかに高い速度で運転することができます。また、加速、減速が非常に迅速に行え、消費エネルギーを削減するためにオン・オフを切り替えることも可能です。
考慮すべきは速度だけではありません。全体的な油圧コンポーネントの性能も評価する必要があります。たとえば、キャビテーションの懸念や耐久性、メンテナンスの問題が生じる可能性があります。各機能の電動化において油圧ポンプ、電動モーター、インバーターを適切にマッチングさせることは、フル電動化システムへの移行において鍵となります。 アプリケーション独自の稼働条件も影響を与える要因となります。これら全ての要因に対してシステム内のコンポーネントを広範囲にテストすることで、システムの性能とポンプの寿命を確保できます。
全体的な設計、機器選定、配置
Q: それ以外の考慮すべき要素は何ですか?
A: システムコンポーネントの仕様において考慮すべき要素は速度の考慮に加えて、アプリケーションにとって優先項目を理解することが鍵です。
これらの考慮事項や要因にはトレードオフがあることに注意することが重要です。たとえば、最小で静かで安価かつ最も効率的なユニットで構成することが理想的ですが、それは実現できません。重要な設計基準やシステムの最優先事項を理解することは、電動油圧ユニットを選定する上で極めて重要です。
油圧システムアーキテクチャのタイプ
Q: 油圧システムアーキテクチャにはどのような種類があり、それぞれの利点と欠点は何ですか?
A: 異なるシステムアーキテクチャを理解するためには、現状のICE(内燃機関)駆動の集中型アーキテクチャを知る事が必要です。油圧ショベルは良い例ですが、装置を作業現場で移動させるだけでなく作業機能がある農業機械やオフハイウェイ等いかなる機器にもシステムは適用されます。
現状 – ICE集中型アーキテクチャ
ほとんどの機器には、ガスまたはディーゼルで動く内燃機関(ICE)が搭載されています。約2000 rpmのハイアイドルで稼働し、作業機能と走行の両方のピークパワー要件に合わせてサイズが設定されています。作業機能には1つのポンプを使用しています。
ICEの集中型アーキテクチャの利点は、実績のある堅牢なシステムであり、低コストハードウェアの選択肢が豊富にあることです。また、ICEアーキテクチャは数十年にわたり採用されており、広く知られたシステムです。
ICEシステムの欠点は、油圧システムとディーゼルエンジンの組み合わせによる固有の非効率性です。排気や騒音などのエンジンの損失と油圧の損失が重なり合い、非効率的なシステムとなります。このような状況から、政府は規制を設けカーボンフリーのエネルギー源、電動化を促進しているため、この種のアーキテクチャからの移行が進んでいます
将来 – 電動駆動の集中型アーキテクチャ
将来の電動パワーに適したもう一つのアーキテクチャのタイプは、電動モーター駆動の集中型アーキテクチャです。このシステムの利点の一つは、バルブ、シリンダー、ホースを通じて既存の作業機能の大部分を共有できることです。単にディーゼルエンジンを取り外して電動モーターに置き換えることはできず、システム分析が必要ですが、作業機能システムの多くを再利用することが可能です。
このタイプのシステムは、一般的に集中型e-Pumpによって特徴付けられます。さらに、これらの永久磁石ACモーターは、停止時の0 RPMから最大8,000 RPMまで回転することができ、場合によっては走行を作業回路から完全に切り離すことができます。その結果、走行回路が不要な場合、作業回路が使用されている間は、未使用のシステムを完全にオフにして他のシステムに電力を供給することができます。このように走行回路を完全に停止し、作業機能を利用できることは大きな利点です。
このシステムの目標は、より効率的な出力を得るために、より良いエネルギー入力を実現することです。これは、電動モーターの制御を使用して、ポンプやモーターの最適な回転速度を見つけることでシステム損失を減らすことによって達成できます。
このシステムの一つの欠点は、既存の内燃機関システムの固有の非効率性です。ポンプとバルブの損失は依然として発生し、油圧回路を冷却する必要があります。しかし、このシステムは、従来のICEと完全電動駆動システムの間の良い妥協点となります。
最適な状態 – 電動駆動の分散型アーキテクチャ
将来的に選択肢となるアーキテクチャのもう一つは、電動駆動の分散型アーキテクチャです。このオプションは、複数の機能ごとの油圧ポンプ、電動モーターがそれぞれに配置されるより分散型のアーキテクチャです。
このシステムの利点には、エネルギー回生や熱損失の削減、ポンプやバルブを含むコンポーネントの削減による全体的なエネルギー効率の向上が含まれます。最大の利点は、より良いシステム制御と理想的なエネルギー利用です。
しかし、欠点としては、OEMにとってかなりの量のハードウェアの再設計と制御変更の課題があります。さらに、各機能で個々の電動油圧アクチュエーターやポンプをオン・オフする制御や機器の知識を習得するため関係者全員にとって大きな負担となります。
結論として、既存の内燃機関システムから分散型の電動駆動システムまで、さまざまな製品の使用例がありますが、コストや効率などの様々な要素から機器の選定や製品仕様を段階的に選択し、システムアーキテクチャを設計します。
油圧システムアーキテクチャのタイプ
Q: 油圧システムアーキテクチャにはどのような種類があり、それぞれの利点と欠点は何ですか?
A: 異なるシステムアーキテクチャを理解するためには、現状のICE(内燃機関)駆動の集中型アーキテクチャを知る事が必要です。油圧ショベルは良い例ですが、装置を作業現場で移動させるだけでなく作業機能がある農業機械やオフハイウェイ等いかなる機器にもシステムは適用されます。
システムの効率を改善または最適化するだけでなく、分散型システムはバッテリーの持ち時間を延ばすことも可能です。たとえば、バッテリー電動システムの場合、ハイブリッドや電気自動車のようにエネルギーを削減または再生することが、分散型システムでは可能となります。
負荷サイクルに応じて、分散型システムはバッテリー持ち時間を劇的に改善し、バッテリーの使用時間、容量を減らすことができます。必要な機能を必要なだけ稼働し、使用していないときには機能をオフにすることでエネルギーの無駄を減らし、全体的にシステム効率を向上させることができます。
電動油圧ポンプ(EHP)を用いた電動化システムへ向けた躍進について詳しく知りたい方は、アプリケーションの優先事項、機器のサイズ設定、適切なエンジニアリングパートナーの見つけ方をより理解するために、ぜひこのトピックをフォローしてパート2をご覧ください。
この投稿は、電動化ウェビナー「電動油圧ポンプを用いた電動化システムへ向けた躍進」のトランスクリプトに基づいています。
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